季節が巡る度に新しいアイテムが発表されるシーズンコレクション。これから店頭に並んでいくのは、2021年秋冬コレクションになります。テンベアのホームページのトップ画面で目にする写真たちです。そんなコレクションをフォーカスしたイメージフォトのアートディレクション、スタイリングを担当させていただいているのですが、これが毎回とにかく楽しい。新作を初めて見た時、「これはこう撮りたい」「こんな風にしたら魅力が伝わるかも」「色使いを見てもらいたい、素材の良さを感じて欲しい」…。さまざまな妄想が駆け巡ります。テンベアのスタッフさんと妄想を具現化しながら、一番すてきに目に映る瞬間を探ります。そのシンプルかつ無機質なかっこよさや使う用途が明確であるがゆえの、使い手によってアイデアが広がるバッグの楽しみ方、というようなテンベアらしい世界観を大切に…。例えば、キャンバス11号のペインタートートM。以前のものと比べて素材感はより軽く、インダストリアルな雰囲気をまとった仕上がりになっています。内側にはアクリルコーティングを施し生地の強度を増してあるので、職人さんが現場で使える実用性もあります。もちろん、普段使いとして結構な荷物が入れて持ち運べるトートバッグとしても活躍します。見た目よりもずっとバッグ自体が軽量なので、荷物が多い人にはうれしい作りです。撮影ではこのバッグの魅力である工業っぽいイメージを表現しました。デザイナーの狙い通り必然ではあるものの、やはりペンキ缶や工具箱が似合う！　かっこいいです。　テンベアが毎シーズン展開しているプリント柄では、新たなピザ柄が発表されました。今回の主役はピザ箱です。なので、完全再現を目指しました。バッグは手持ちも肩掛けも斜め掛けもできる、あると便利な３ハンドルトートです。他に、秋冬コレクションらしい素材感、アイテムのものも展開されています。牛革よりも柔らかく、中綿が入っていることでふっくらと温かみのある作りのピッグスウェードのシングルトートや、人気の巾着にボア素材を使ったもの、手袋やニット帽などの冬小物アイテムなどなど。全体を通して見ると、いつもよりもちょっとカラフルで楽しさをプラスした色使いのものが印象的でした。特にピッグスウェードのシングルトートは、１色に決めるのがかなり悩みそうなくらい美しい発色が揃っています。コートを羽織る頃の自分をイメージしてどの色にしようか選ぶ時間も、実際に持って歩く時のうれしい気分も、今から想像するだけでどれもきっと楽しい！　と思えてきます。
　公開されたばかりのホームページのイメージフォト。テンベアの世界観とともに楽しんでもらえたらと思います。PHOTO：Nao Shimizu
EDIT&TEXT：Chieko Koga(MOKA STORE)